独学のスケジュールは、月ごとに科目を割り振った表を作った時点で完成した気になりがちです。ところが実際には、申込を忘れる、模試を入れる余地がない、遅れたときに何を削るか決めていない、という理由で1〜2か月で崩れます。
この記事では、公式日程を固定してから逆算し、週単位まで落とし、崩れたときの詰め方を決めるところまでを手順として示します。必要な学習時間そのものの目安は別記事にまとめています。
本文の試験に関する数値は、行政書士試験研究センターの公表内容にあたって確認し、確認日を明記しています。伝聞や他サイトの引き写しではないので、数字はそのまま計画づくりに使えます。
- 令和8年度(2026年度)の公式日程
- 逆算で置く4つのマイルストーンと、その判定基準
- 週単位のテンプレート
- 遅れたときに使う3つの調整弁
結論:「公式日程→マイルストーン→週単位」の順で作る

独学のスケジュールは、動かせない公式日程を先に固定し、そこから4つのマイルストーンを逆算で置き、最後に週単位のテンプレートに落とす、という順番で作ります。
月別の科目割り当てから作り始めると、申込や模試といった動かせない予定が後から割り込んで破綻します。
もうひとつの要点は、崩れる前提で作ることです。独学では体調・仕事・家庭の事情で必ず遅れが出ます。遅れたときに何を削るかを最初に決めておくと、崩れた時点で計画ごと捨てるという事態を避けられます。
まず固定する:令和8年度の公式日程

スケジュールの起点は、自分の都合ではなく公式に決まっている日付です。
以下は令和8年度(2026年度)行政書士試験の日程で、いずれも一般財団法人 行政書士試験研究センターの公表内容です(2026年8月18日確認)。
※表は横にスクロールできます。日程は年度ごとに変わります。受験する年度の公式発表を必ずご確認ください。
| 項目 | 令和8年度(2026年度) | スケジュール上の意味 |
|---|---|---|
| 受験願書受付(インターネット) | 2026年7月21日(火)9時 〜 8月24日(月)17時 | ここを逃すと1年待つことになる最重要の締切。2026年8月18日時点で受付中 |
| 受験願書受付(郵送) | 2026年7月21日(火)〜 8月17日(月)消印有効 | インターネットより1週間早く締まる。令和8年度は受付終了済み |
| 試験日 | 2026年11月8日(日)13時〜16時 | 3時間拘束。当日の予定を早めに空ける |
| 受験手数料 | 10,400円(インターネット申込はシステム手数料370円が別途必要) | 申込時に必要 |
| 合格発表 | 2027年1月27日(水)9時から公示 | 次年度の学習開始判断はこの日以降 |
特に注意したいのが申込期間です。学習に集中していると7〜8月の締切を見落とすことがあります。学習計画を作る最初の作業として、カレンダーに申込開始日と締切日を入れてください。
試験日は例年11月の第2日曜日前後に置かれますが、確定するのは前年度の発表時点です。翌年度以降を目指す場合は「11月上旬〜中旬の日曜」を仮置きし、公表後に確定させます。
逆算で置く4つのマイルストーン

試験日から逆算して、4つの通過点を置きます。
日付ではなく「到達状態」で定義するのがポイントです。日付だけで区切ると、間に合っていないのに次へ進んでしまいます。
※表は横にスクロールできます。時期は12月〜1月に学習を開始した場合の目安です。
| マイルストーン | 時期の目安 | 到達したと判定する基準 |
|---|---|---|
| M1:行政法を1周 | 試験の8〜9か月前(2月末) | 行政手続法・行審法・行訴法の条文の位置が分かる |
| M2:法令等を一通り1周 | 試験の4か月前(7月末) | 民法・憲法・商法まで一度は触れ終えている |
| M3:択一が6割前後で安定 | 試験の2か月前(9月末) | 肢別過去問で行政法・民法とも6割以上 |
| M4:記述式と基礎知識の目処 | 試験の1か月前(10月末) | 記述式を10問以上書いた/基礎知識で6問取れる見通し |
M3の「6割前後」は、合格基準が総得点180点(300点満点の6割)であることに対応しています。
法令等244点中122点以上、基礎知識56点中24点以上という科目別の基準もあるため、どの科目も6割を目安に置くと考え方が統一できます。
模試を先に申し込んでおく
M3とM4の間に模試を1回入れておくと、外部の締切ができます。独学には強制力がないため、先に申し込んで日付を固定してしまうのが効果的です。
3時間で60問を解く時間配分の練習は、独学で最も抜けやすい部分でもあります。
週単位のテンプレートに落とす

マイルストーンを置いたら、月単位ではなく週単位に落とします。
月単位だと、月末になって遅れに気づくため修正が効きません。
※表は横にスクロールできます。平日2時間・休日5時間(週20時間)を想定した例です。
| 曜日 | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 月〜金 | 各30分 | 基本テキストを1章読む(新しい範囲) |
| 月〜金 | 各30分 | 同じ章の肢別問題を解く |
| 土 | 2時間 | その週に進めた範囲を5肢択一形式でまとめて解く |
| 土 | 1時間 | 間違えた問題の該当箇所をテキスト・条文で確認 |
| 日 | 2時間 | 翌週分の先読み、または記述式を1〜2問 |
| 日 | 30分 | 週次レビュー(下記) |
週次レビューで見る3つの数字
日曜の最後に30分だけ、次の3つを記録します。これが遅れの検知装置になります。
- 実学習時間:計画の何%だったか。7割を下回る週が3週続いたら計画側が現実に合っていません
- 進んだ章数:予定どおりか、何章遅れているか
- 肢別の正答率:科目別に記録する。上がっていれば進め方は正しい
時間だけを記録すると、進んでいないのに達成感だけが残ります。必ず章数と正答率を併記しておきましょう。
遅れたときに使う3つの調整方法

遅れは必ず出ます。重要なのは、削る順番を先に決めておくことです。
順番を決めていないと、削りやすい記述式から削ってしまい、60点分を失います。
調整方法1:配点の軽い科目を過去問範囲に絞る
最初に削るのは商法・会社法(約20点)と基礎法学(約8点)です。
この2科目で28点前後のため、過去問に出た範囲だけに絞っても総得点への影響は限定的です。
テキストの通読をやめ、問題集の該当範囲だけを回します。
調整方法2:周回数を減らし、範囲を維持する
次に調整するのは精度です。
行政法を3周する予定を2周に落とし、代わりに全範囲に触れることを優先します。
科目を丸ごと落とすと科目別基準点に引っかかるため、範囲を削るのではなく深さを削ります。
調整方法3:受験年度を1年ずらす
試験の6か月前の時点で行政法すら1周できていない場合、当年度の合格は物量的に厳しくなります。
ここで無理に間に合わせようとするより、翌年度に切り替えて基礎を作り直すほうが合計期間は短くなることがあります。
ただし、受験料を払って本番を経験する価値はあります。翌年度を本命にする場合も、当年度は「時間配分の練習」と位置づけて受験する選択肢は残ります。
行政書士の独学スケジュールに関するよくある質問

- 行政書士試験の独学のスケジュールは?
-
公式日程を固定し、4つのマイルストーンを逆算で置き、週単位に落とす順で作ります。
月単位だと遅れに気づくのが月末になります。
- 行政書士の勉強の順番は?
-
行政法→民法→基礎知識→憲法→商法・会社法→基礎法学です。
行政書士 独学 勉強法の全手順はこちら - 3ヶ月で行政書士になれる?
-
1日6〜9時間を確保できるかで決まります。
行政書士 独学 3ヶ月の必要時間はこちら - いつから始めれば間に合いますか?
-
1日2〜3時間を確保できるなら、試験の10〜11か月前(前年12月〜1月)が標準的な開始時期です。
ただし必要な期間は学習経験によって大きく変わり、短期間での合格を保証できるものではありません。
確保できる時間から逆算して判断しておきましょう。
- 必要な勉強時間の総量が知りたいです
-
学習経験別の目安と、1日の確保時間からの逆算、月別の時間配分を整理しています。
行政書士 独学 勉強時間の目安はこちら - 科目の順番と1日の進め方を知りたいです
-
配点に基づく優先順位と、平日・休日それぞれの組み立て方をまとめています。
行政書士 独学 勉強法の全手順はこちら - 計画どおりに進まず、続けられる気がしません
-
つまずく原因は5つ程度に絞られ、多くは進め方を変えれば解消します。
行政書士 独学が無理と感じる原因の解説はこちら - 申込を忘れたらどうなりますか?
-
その年度は受験できず、次の年度を待つことになります。
行政書士試験は年1回のみの実施です。令和8年度は、郵送申込が2026年8月17日(月)消印有効で終了し、インターネット申込は2026年8月24日(月)17時まで受け付けられています(2026年8月18日確認)。
学習の進み具合にかかわらず、締切前に申し込んでおくことをおすすめします。
- 残り3ヶ月しかありません
-
その期間で成立する条件と、配点による配分設計を検証しています。
行政書士 独学 3ヶ月の必要時間はこちら


- 令和8年度(2026年度)の受験願書受付期間・試験日・試験時間・受験手数料・合格発表日:一般財団法人 行政書士試験研究センター(2026年8月18日確認)
- 合格基準についての補足:センターが公表しているのは「法令等科目は満点の50%以上/基礎知識科目は満点の40%以上/試験全体は満点の60%以上」という割合です。本文中の点数(180点・122点・24点)は、300点満点・法令等244点・基礎知識56点という配点を前提とした換算値で、配点自体は合否通知書で通知されます。また同センターは、試験問題の難易度により補正的措置を加えることがあると明記しています(2026年8月18日確認)
- 合格基準・出題構成:同センター(2026年8月18日確認)
- 科目別配点:近年の出題実績に基づく目安
本記事は合格や短期合格を保証するものではありません。試験日程は年度ごとに変わるため、受験年度の公式発表を必ずご確認ください。掲載したスケジュールはモデルであり、特定個人の記録ではありません。

